X-SCORE'S EYE


第14回

広島東洋カープ 徹底解剖
(大瀬良大地 投手篇)

今回は、広島東洋カープの若きエース候補、大瀬良大地。カビバラに似た穏やかな見た目からもカープ女子注目の的になっており、人気、実力ともに順調にプロ野球人生を歩んでいる大瀬良だが、データから見える大瀬良の良さや今後に向けての課題とは一体どういったものだろうか?投手の柱 前田健太(マエケン)のメジャーリーグ移籍に伴い、最年長・黒田と共に球団やファンからの期待も大きくなっていくだろう。更なる覚醒のヒントをデータからひも解く。
本格的野球データ分析ツール「X-SCORE(エックススコア)」を通じて、プロ野球チームや選手の魅力に迫る野球データ分析コラム。

長崎日大高ではエース。3年夏の長崎大会準々決勝では、現在のチームメート今村猛(清峰高)と投げ合い、1失点に抑えた大瀬良が投げ勝った。甲子園に出場し、1回戦菊池雄星(花巻東高・現西武)と投げ合い、敗退。ドラフト候補にもあがったが、数多くプロ野球選手を輩出している九州共立大への進学を選んだ。注目のドラフト会議では、ヤクルト、阪神、広島と3球団が競合。熱心にアマチュア時代から大瀬良を追いかけた担当スカウトがくじを引き当てるというカープ球団史上初のストーリーに多くのプロ野球ファンにも感動を呼んだ。入団前から「何か」をやってくれそうな雰囲気のある選手の登場にカープファンの期待感は高まっていった。
ルーキーイヤーの2014年は、開幕から先発ローテーションの一角に入った。シーズン通算で26試合に登板し、防御率は4点台だったものの10勝をあげ新人王に輝いた。 2年目の2015年も開幕から先発ローテーションに入ったものの、勝ち星を伸ばすことができず、チーム事情もあり6月からリリーフに回った。51試合に登板し、3勝8敗2セーブ20ホールド、防御率3.13の成績を残した。
勝ち星という点ではチームに貢献したと言えないが、リリーフを経験したことは今後のキャリアを考えてもプラスだろう。
では、ここで改めて2014年、ルーキーイヤーの大瀬良のピッチングをX-SCOREのデータから振り返ってみよう。

2014年、ルーキーながら開幕から先発ローテに入った大瀬良。開幕から順調に勝ち星をあげていたが、6月と7月に大きく調子を落とした。特に6月は被打率、与四球率、防御率のいずれも数字が下がってしまった。プロ野球選手として初めてのシーズンで疲れが出た頃だったのだろう。こういったスランプは、多くのルーキーが経験することだ。
大瀬良が見事なのは、8月以降に復調したことである。ペナントレースの勝負どころでもある夏場に調子を取り戻したのは、大瀬良にとってもチームにとっても大きかった。
一度調子を落としたあとに復調した経験を1年目にしたことも、プロ野球人生を考えれば大きなプラスとなるはずだ。
月別ストライク率を見ても、ほぼ70%と安定して高い数字を残していて、9月には数字をあげている。シーズンを通して、それなりの成績を残せた要因のひとつだろう。

次にカウントマップを見てみよう。
初球の被打率は.286と良くはないが悪くもない。
問題はボール先行時の投球だ。1ボール時は.447、2ボール時は.538、2ボール1ストライク時でも.343とよく打たれている。ボール先行になると打者有利だが、それでも打たれすぎだ。1球がより重要となるフルカウントでは、被打率.236でストライク率も5割以上とよく抑えているだけに、ストライクをとりにいく投球を磨いてほしい。

最後に、先発時のイニング別成績を見てみよう。
グラフを見て一目でわかるが、課題は立ち上がりだ。ストライク率は初回から9回まで安定しているだけにもったいない。序盤に失点を多く喫すると、打線のリズムも悪くなってしまうのは言うまでもない。
ルーキーとして2ケタ勝利をあげ、新人王にも輝いた2014年の大瀬良。しかし、ボール先行時や立ち上がりなど、まだまだ課題は多い。持っているボールは素晴らしいだけに、ひとつずつ克服していってほしい。

(文・京都 純典)

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